Carl Zeiss Jena Biotar58mmF2

 朝日に光るグラス、風になびく洗濯物、道端の雑草など、なんでもない日常が「そうそう、こういう風にちょっとエモい感じに見えていた!」という、心情を盛った描写をしてくれるオールドレンズ。高性能な現行レンズで撮影すると、綺麗すぎて記憶と現実の間のような曖昧さが、全てクリアになってしまう気がするんですよね。だから、日常のなんでもないふとした瞬間は、ハイスペックレンズよりオールドレンズで撮りたくなります。

 今回ご紹介するのは、Biotar58mmF2というレンズ。ドイツのCarl Zeiss Jenaが戦前に作っていた単焦点レンズです。このレンズの特徴は、グルングルンのぼけ。絞りを開けて撮ると、印象派の絵のように美しいボケとなって写真を彩ってくれます。夕暮れの暗い時間帯に撮ると陰鬱な感じに、朝や爽やかな昼間に撮ると幻想的な感じに仕上がり、振り幅の広い描写をするレンズです。色のりはCarl Zeissらしく、とても良い感じ。

 いつもはミラーレス一眼のソニーα7Ⅲにつけて使っているのですが、今回はフィルムカメラのCanon F-1につけてみました。古いカメラに古いレンズをつけただけ。

 Canon F-1はFDマウントなので、M42マウントのビオターのレンズを装着するには、FDとM42をくっつけるマウントアダプターが必要です。Amazonでパシュポのマウントアダプター M42-FDを1600円買いました。問題なく、とてもいい感じで使えています!

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