透明感のある「色」ってなんだろう?
「透明感」について、前回のブログでは「透明なものを、光を透過させる」ことについて書きました。
もう1つ、透明感を表現するために大切なのが、「色」です。
上の写真は、逆光で花びらを透過させているので、透明感のある写真の要素は取り込んでいます。
でも、現像の仕方によっては透明感がだいぶ違ってくるんです。
こちらは、最初に現像した写真の色味。
逆光で撮ると空が白飛びしがちなので、青い色味を出したくて
カラーミキサーでブルーの輝度を下げました。
さらに、そのまま撮るとマゼンタ(赤っぽい)寄りの空の色だったので、
少しグリーン寄りに調整。
でも。。。なんかちょっと、透明感が足りない。。。
それで、やり直したのがこちら。
ブルーの輝度はあまり下げず、ほんのり青を感じるギリギリの感じにしました。
それぞれの色の彩度は、ブルーを中心にけっこう下げています。
どうでしょう? 最初より透明感が出たような?
この感覚の差は何なのだろう?と分析すべく、写真の中に使われている色を抽出してみました。
Adobe Colorに画像をドラッグすると、色味を分析してくれます。
うん、色を見ると、確かに後から調整した色味のほうが、透明感がありますね。
色の透明感は感覚によるところが多いので一概には言えませんが、
私が感じる透明感のある色は、
・濃すぎない(=薄い色)
・寒色系
です。
水彩絵具をバケツに1滴垂らすと、ほんのり色がついて透き通った色水ができますが、
絵具の量を多くすると、濃くなって透明度が下がりますよね。
さらにいろんな色を混ぜると、ドロドロの不透明な水になります。
写真の色味の透明感も、水彩絵具を1滴落とした感じに留めるのがいいのでは、と思います。
カラーミキサーで1つ1つの色味の彩度を下げて、濃すぎて濁っている色を抜く。
そんなイメージでしょうか。
色味は、暖色よりも寒色のほうが透明感を感じます。
きっと、本能的に水や氷のイメージなのでしょうね。
ですので、ハイライトに少しだけブルーを足すことで、スッキリした光になります。
ちなみに、薄い色だけでまとめると、コントラストが弱くて
透明感というより、「眠い写真」になってしまうように思います。
色味は薄いけど、黒いところはしっかりと暗く、明るいところはしっかりと明るく。
コントラストをしっかりつけることで、光と影を感じる写真になり、
すなわち透明感を感じることにつながるのでは、という結論であります。
こんにちは、yukiと申します。記事拝見させて頂きました。写真を始めてから約1年ちょっとが過ぎ、自分らしい表現を追い求めて日々四苦八苦もがいています。
すごく分かりやすい記事で、もやもやをとっぱらってくれました!特に、『薄い色だけでまとめると、コントラストが弱くて透明感というより、「眠い写真」になってしまうように思います。』この部分!
いわゆるコントラストを下げたゆるふわ系と、透明感の違い。が自分の中で整理できました。ありがとうございました!
yukiさま
こんにちは!
記事のコメントありがとうございます。
まったくHPを更新していなくて、気づくのが遅くなってしまい申し訳ございません💦
透明感ってほんとうに難しいと思うのですが、
感覚を色から紐解いていくと、どうやら寒色系と締めの色が重要になってくるみたいで。
yukiさんの透明感あるお写真のヒントになれば嬉しいです!